(ベンヤミンは)カメラは<芸術>に無意識の領域を持ち込んだとし、それを評価した。私もまたそう考える。写真は<作者>たる写真家の意識をつねに裏切り、意識を超えた世界を写真家につきつける。この偏差こそ実は写真家にとってかけがえのないただひとつのものではなかろうか。