20人の精神障害がすれ違うかのように繋がっていく。そのこと自体が1本のライン。ひさびさの村上龍節を読んだような。あ、でも『トパーズ』『ピアッシング』『白鳥』なんかの流れだよな。ラストの「人間は他人によって自分を確認している」
川端康成が自作中でもっとも嫌った作品で、自己嫌悪の対象として主人公に投影したとされる。禽獣というのはいまでいうペット。小鳥、犬、などの禽獣に対する愛玩の裏返しとしての冷酷さが、女に対してまで及んでくるという川端康成ならではの耽美さが、この短かい小編におしこめられているのはさすが。