あら、いま調べたら、去年は10月11日に食うとるね。やっぱり「さんま苦いか塩つぱいか」と言いながら。
そんで谷崎と佐藤の間の「細君譲渡事件」のことでも書こかいなと思ったけど、なんやややこしいね。1921年8月の「小田原事件」直後の10月にこの「秋刀魚のうた」が発表されて、1930年の「細君譲渡事件」で、めでたく結婚するんだけれど、その間の24年に、別の小田中タミと結婚、30年に離婚して、この千代と結婚というんだから、なんとまぁ劇しいこと。そのあとはこんな紆余曲折を経て「譲渡」してもらったからか、尻にひかれてたらしいけど。 谷崎のほうの女性関係は、もっともっと複雑怪奇。太刀打ちできません。というかさ、「芸のためなら女房も泣かす」ってんじゃないけど、そうした色恋ってのは何にも必要だと思うんです。文学に限らず、写真もそうなんだけど、そのために恋愛する必要はないけれど、恋愛もできない人間の作品ってつまらないなと感じてしまうのでした。