今回の香港・ベトナムの旅はほんと長かった。毎日毎日が濃すぎて、こんなに疲れて、まだ何日あるのかぁなんて考えたのは初めてのことだ。その刺激に満ちあふれたことどものとどめの一発が待ち受けていようとは。
それは夜行バスがダラットを出発して約30分ほどのこと。真っ暗な道をバスはそんなに速いスピードでもなくひたすら走っていた。と、突然の急ブレーキの直後に、ガシャーンっと衝撃がバスの前方で起った。乗ってるほうはそうたいした衝撃を受けたわけでもなかったのだが、事故が起ったのははっきりわかった。バスの前方で何やら騒ぎが起る。窓から前のほうを見ると、真っ暗な道路に一人の人間が倒れているのが見えた。はじめ羊か何かの動物のように見えたのだが、ときおり照らされるライトに、それははっきりと人間であることがわかり、そしてそのライトの中で血が流れ出すのが見てとれた。バイクの衝突即死事故。
それから何分経ったか、すごく長い時間のようにも思えた。事故現場に3ケツで家族を乗せたバイクが2台か3台やってきて止まる。そして多分、その事故にあった人の娘たちだろうか、狂ったように泣き叫んで遺体に駆け寄ろうとする。それを止めて引き離そうとする男たち。その光景はボクのすぐ目の前で起っていた。
やがて警察らしきクルマもやってきて、現場検証が始まる。と、いっても日本のようにたいそうなものでなく、すごく簡単なもののように思えた。そのころになって、やっとボクもバスから外に降りてみると、月明かりに昼間に見た山の形がはっきり見えた。現場はどうもあのチキンビレッジの近くのようだった。
代替えのバスもやってきて、事故のバスは警察の男がそれから2,30分警察まで運転して、そこで代替えのバスに乗り換えた。もちろん運転手も交代した。何かベトナム語で乗務員が話していたがまったくわからない。そして何事もなかったように、予定通りなのか、朝の6時ちょうどにバスはサイゴンに着いた。
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ホーチミン空港12時前発、関空21時半着。
香港スライドショー
flickrにアップした香港をスライドショーにしてみますた
http://flagrantdisregard.com/flickr/slideshow.php?id=3356
うらまご
しばらくお休みします
ちょっとあてが外れた。というのは自分でバイクで走るのだとばかり思ってたから。サイゴンではとても走る気になどなれなけれど、ダラットだと最後の一日、ボーッとイナカを見て過ごすのもいいなと思ってた。あ、でも地歩きに書いてたイージーライダーと称するグループでバイタクとしては信用できるらしいから、まぁいいか。
さて、どこへ行きたい? と聞かれてもさしてあてがあるわけでもなく、観光スポット行ってもしょうがないしね〜、と、テキトーにイナカと答えはしたけど、15分ほど走ってもらったけど、美瑛みたいな丘陵が広がってるわけでもなくて、写真にならない。そこでどこかのビレッジとかない? あと適当にいいとこ連れてってくれたらいいからと。そろそろ後ろに乗ってるのも慣れてきたし、バイクったって30-40km/h程度でしか走らない(ボロだから走れない)ので、用心してA95にしてたのを20Dにして、走り抜けざまに活写、活写。つまり撮り逃げ。やっとバイタク乗せてもらってよかったと思えるようになった。でも後ろに乗って、ずっと被写体探しに必死になってるから、めっちゃ疲れる。だから、スポットは休憩みたいなもん。
最初に行ったパコダは破砕タイルならぬ割れた茶碗や瓶を貼り詰めたドラゴンがあったりして、まるでガウディや、と、イージーライダーに言うと、もうひとつガウディのようなところがあるから連れていくと連れてってくれたのが、最後に行ったクレイジーハウス。ここもそこそこにおもしろかった。他はほんと休憩みたいなもん。何チャラ滝なんて、もっとも観光スポットになっていて一番つまらんかった。
で、チキンビレッジというどうもマイノリティーの集落らしいのだが、そこに連れてかれて、自由に集落の中を歩いて写真撮ってきていいと言われて歩いてみたが、はたしてがしっとカメラを向けていいのやら少し困った。案の定、老婆にカメラを向けると、何やら金をくれと言ってるようで、言葉わからないふりしてごまかしたが、金払ってまで撮らせてもらうのもおかしいし、写真撮らせて金をせびるのも間違っている。でもこういうところは自分ひとりで走って行って写真撮ることもできないし、貸切りバイタクのおかげだな。複雑だけど。
Azが去年来たときに写した写真を持ってってやるとみんなで大騒ぎ。よく見りゃその写真と、一人は同じ服を着てるし、もう一人のおばちゃんは同じ帽子をかぶっている。で、いちおう食堂なので、何、食べる?と聞かれて、そういやベトナムに来て本場のゴイクン食ってないなとゴイクンと揚げソバを注文。すると細巻きだけれどゴイクンが10本も出てきた。そして山のように膨れ上がった揚げソバ。そんなもん食い切れません(´∀`∩)と、泣きながらも全部食ってあげた。味はイマイチだったのだが。
カメラを向けると、こんなふうに撮ってくれと店の中の演出を始め、しまいには表に出て店の全景撮ってくれ。それで終わりかと思ったら、2階に上がって来いって言うので上がったら、仏さんと一緒に撮ってくれと、よく見れば、仏さんと一緒に撮ってもらうのにちゃんと上着も着替えてんの。何、考えてんだか。ははは、でもおもろい体験だった。
ダラットで泊まったホテルの息子も写真やってるって言うんで、じゃあflickrやればって言うと、もうアカウントとってると言う。ホテルにも何枚か額に入れてかけてあった。ボクとはちがうけどいい写真よ。http://www.flickr.com/photos/luyen/
夜行バスまでの時間、ホテルの前に座って、前の道路を走るバイクを二人で流し撮りして遊ぶ。流し撮りさせたらボクよりずっと上手いの。って、ボク自身、ほんまテクなんてあらへんもんなぁ。
昼の飛行機でダラットへ。空港からダラットの町までもけっこうあるのな。土地あまってんだからもっと近くにできんのか。ベトナム航空のマイクロバスで町まで行ったのだが、ベト航空のホテルまででそっから町まで歩いて10分もかかるの。ようやっとホテルに着いた。ホテルはむちゃきれい。そりゃベトナムで1泊$20だから。まぁいいか。
で、サイゴンのホテルで飛行機のチケット手配してもらったら、往きしかとってくれなくて、ダラットで帰りのチケット頼んだら満席だと。それで夜行バスで帰ればいい。あした1日、バイク乗って写真撮ればいいと、サイゴンのホテルにはこっちから連絡しといたげるぅ。このおばちゃん商売うまいのか、勝手に決めてくれる。帰りのバス、サイゴンまでたったの$5ってどんなんやねん。ちなみに飛行機は$30。それからあしたのバイクが$20。もうめんどくさくなって、全部ハイハイ言うといた。
遅い昼食べがてら写しに出て、マーケットでイチゴ買う。むちゃくちゃ安いと思うたら、それは間違いで、日本のイチゴみたいに甘ないのな。固いし、虫喰いだらけだし、だいたい40-50年前の日本を想像すればよろし。あの頃のイチゴなんて練乳かけな食われへんかった。
夕方、また出撃。サイゴンとちがって町そのものは小さいから、ホテルをキーにしてちょこちょこ出歩ける。ダラット市場でみやげ入れて帰るためのバッグを8000ドン。安いのか高いのか、ようわからん。日本の感覚では激安だろうけど。市場を見て歩いてたら、鶏のむしったのあれば、そこからちょっと向こう側にはカゴにまだ生きたニワトリが入ってる。ここらあたりほんと複雑。ほんと昔の日本だよ。市場でニワトリ絞めてたもんな。考えようによっては、文化が進むにつれ、食は貧しくなったと言えなくもない。すでにきれいにばらした食肉がスーパーに並んでる。そうした複雑な心情に陥らなくて済むようになったかわりに、活きの良さは捨て去られた。
夜、晩ごはん食べに出て、川蟹入りの麺。ベト料理は、生野菜がごっそりついてくる。それをスープにぶちこんで、野菜いっぱい食える。それがいい。
旅も終わりに近づいてきた。今晩ホテルで寝ると、あしたはバスだし、なんて妙にしんみりしながら、露店を見て歩いて、写真してたら、子どもらに囲まれた。ハローとカメラに向かってやってきて、これ幸いとバシバシ撮ってやったけど、もう大変よ。
チョロン行こうかと思いながら、まるで反対の方向に歩き出して着いたのがサイゴン川べり。こういう場所、つまり観光客が来る場所ってのはまずいんだよなぁと思ってたら、案の定シクロ親父がやってきて、このおっさんどしつこいのなんの。わしゃ観光で来てんじゃないからシクロ乗りませんと言ってもなんも聞いとりゃせん。ノート持ちだしてきて、ほら、ここにわしの評判書いとるだろって見せる。テキトーに相手なんかしてやったらますますつけあがって、何冊ノート見せつけるやら。そのノートには、以前に乗せた日本人やら、その他ガイジンのシクロ乗っての感想が書いてあるんだけど、そんなもんフツーの観光客が書いたもんでしょ。「おかげで自分では行けないようなお店にも行けました」とか、彼(彼女ら)にしてみれば、フツーじゃない体験なのね。
あんまりしつこいし、きのうたいがい歩き疲れとったから、1時間だけ乗ってもいいかなんて思いだしてしまった。1時間で10万ドンにするっていうし、シクロから写真撮るのも視点が変ってよろしいかと。で、1時間、観光客行かないようなとこ走って、ここで下ろせということで乗ってやった。
走りだすと、やっぱり自分で歩いているより楽(当たり前か)だし、道路側から写真撮れるのもいいもんだと、クルマだとシャッターチャンス逃してしまうのよくあるしね。ところが乗ってちょっと走ったところで「ガンジャはいらんか? 15ドル出せばいいの手に入れてやるぞ」とほら来た、来た。アホか。 しばらく行くとマッサージいらんか、女や、女。もうこの手で、オプションで稼いどるの見え見え。ノートに書いてあったのな、サイゴン川ツアまで連れてかれたのおった。ご愁傷様。おっさんにようけ稼がしてやったねぇ〜〜w
で、シクロ乗りだして10分で飽きた。表通りしか走りよらん。裏通り走れと言ったのに、ちょろっと走って、また大通りを走る。しかもバイクの交通量の少ないとこばっか。バイクでぐっちょぐちょになってるところ走ってほしいんだけどねぇ。確かシクロ進入禁止のゾーンとかもあるってどっかで読んだな。で、ちょっと走ったところで、美味しいもの食べさせるところがあると勝手に連れて行って、フランスパンになんやはさんだの買わせようとするから、要らんと断って、暑うて喉渇いてたから、ちょっとコーヒーブレイクでもいいかと休憩。ここ1万ドンか払わせやがったな。めんどくさかったからもう黙っといたったけど、ちょこちょこオプションで稼ぎやがって。
そのあと言うてたとこまで走るからと走ったのはいいけど、う〜ん、やっぱしシクロから写真撮ろうというのは考えが甘かった。ただな、途中緩い上り坂になってるところがあって、見ると、おっさんシクロこいでられへんで降りて押しとる。ボクは涼しい顔でシクロ乗ったままというのも複雑な気持ちになるのだが。
で、もうそろそろだなと地図を出して見てたら、わかってるから大丈夫などと言いながら、ハッと気がつけばTIBの前だった。ここや、ここや、ここでええと、シクロ下ろさせて、まぁ記念におっさんの顔でも撮っといたれと一枚写したら、「ここで待ってるから」などと言いだす。ほらほら来ましたよ。もうこれだもん。そっからおっさんとすったもんだと言い合いが始まる。が、どういうわけか、ああいう状況になると英語がポンポン飛びだしてくるのは立派でしょw 撃退しましたよ。誰がそれ以上払うかい。10万ドンでもほんまのとこぼってるくせに。まぁ、あんまり気分のいいもんではないな。やっぱり執拗な観光客相手の商売というのは避けるにこしたことはない。
わざわざ腐れシクロで乗りつけたTIBはこのベトナム4日間で最も高級なレストラン。バインベオとコムヘン。そのあとTIBの近くでソフトクァロットで満腹。だいたいこの間食いすぎじゃなかろうか。
腹ごなしにまた歩く。やっぱり歩いてるほうが写真は撮れる。しばらく歩いて、カフェで休憩。ベトナムど演歌がかかっていて、なんともいえない哀愁を帯びていいのだ。この曲は何?どこで売ってる?と四苦八苦。相手してくれたにいちゃんもいい子でわけのわからんおっさんの相手ありがとね。そしてそのお兄ちゃんに教えてもらったCD屋探して歩いてったのだが、うりゃ、筋、間違えやがって、うろうろしたやんけ。でも愛想よかったから許す。そのCD、ボーナスカラオケVCDついて43000ドン、安っ! うれしなる。わけわからんのもっと買えばよかったかw
夜はコープはおみやげのお菓子買いに行って、またブイスチアンでソーイガーとバイフラン。あとテレビ見て過ごす。テレビ見てたら、社会主義国なのね、ベトナムって。
当たり前と言えば当たり前ですが、一人で4時半に起き、一人でミニバス、地下鉄、空港エクスプレスを乗り継ぎ、無事、香港出国。昼前にはベトナムへ。
暑い! 7月の鬼暑いほどではないにしろ、6月末の天気がいい日みたい。そしてピックアップのランクルに乗って、サイゴン市内に向かうと、バイクの群れ。ノーヘル、2ケツなんか当たり前。3ケツ、4ケツ。そしてほこり除けのためか、覆面してたりするから、もう暴走族顔負け。とりあえずホテル184着。きのうまでの人間の大群がバイクに乗って走り回っている、それがベトナム・サイゴンと思えばよろし。
一息ついたあと、Azの指令通りソーイ・タップカムを食べにブイスチアンへ。歩いて5分ほどの距離なのに、信号のない道路をバイクをよけて渡り、50m歩くたびに声をかけてくるおっさんを避けて行く。指令通りにソーイタップカムを食い、そのあとにチェータップカム。美味っ。そしてまた指令通りにブイスチアンの近くのお茶屋でハス茶をどっと買い込む。
一度、ホテルに戻ってお茶をおいて、ベンタイン市場へ急須セットを買いに行く。初め18万ドンというのを12万ドンまで下げさせたけど、Azの指令は10万ドン以下。あした買いに来ると出て行こうとすると、10万ドンでいいと言いだすので10万ドンで手を打ってやった。
急須を持ったまま彷徨。をー、ここがドンコイ通りかと、香港とはちがって、Azに少しはレクチャー受けてたから。ベトナムに来てやっとニホンジンもちょこちょこ見るようになった。香港は1週間いてニホンジンは数人しか見かけなかったな。で、マップで見ながら歩くのはしんどい。部分的に間違ってたりするしー。ヒーハー言いながら、パインセオ64A。このパインセオがむちゃ美味いの、なんの。パリッとしていて、それを葉っぱで包んで食うともう腹いっぱい。そりゃそうだ、さっきソーイタップカム食ってから数時間しか経ってないのだから。でもパインセオめったくそに美味い、美味い、美味い。そして安い。そして1時間ほどかかってまた歩いて帰ったら、もうへとへとよ。だって、きのう寝てへんねんし。
夜にネットカフェ行きがてらホテル近辺を歩く。遅くまでバイクは走り回り、クラクションが鳴り響く。なんてところだ。あの交差点でバイクが交差する光景を見ていると、こいつらクレイジーそのもので、こんな連中にアメリカ軍が勝とうなんて考えたとしたらバカだとつくづく思った。