トリュフォー監督の遺作。なんていうと仰々しいのだけれど、軽快なミステリーを遺作にしてしまう(いや、遺作となってしまったのか)のもトリュフォーらしいのか。実際、倒れるまでにつぎの作品の脚本にとりかかっていたというのだから、本人自身はこれが最後かななどと意識してなくて、ごくふつうにつくった映画でしょ。 で、ファニー・アルダンですが、最近、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキとかね、こういう熟女というのも変か、熟した女がいいなあとつくづく思う。そしてトリュフォーの脚フェチに座布団3枚!
この映画をリアルタイムで北野シネマで観たのが40年前。この映画とモデルとなった終戦との時間の隔たりが20数年。つまり映画からこっちのほうが倍の時間が経過してしまった。この時間の差って何なんだろ、というのが40年ぶりに観ての感想。 そりゃ、大谷直子もふけるわ、などと変な感慨。これデビュー作で全裸で雨の中を駆けていくのが、当時の高校生のボクには刺激的だった。いや、それにしても昔くさい顔してるワ。『ツィゴイネルワイゼン』などとは比べものになりませんねw 岡本喜八ってこんなにキッチュだったと思わせる、風刺たっぷり。戦争のしかもドン亀作戦(だっけ?)の悲壮感はともすれば重苦しくつまらない映画になってしまうのを、見事としかいいようのない演出。40年経っても色褪せしてない。