まごれびゅに書いたと思ってたら、『恋する惑星』も『天使の涙』も書いてないでしょ。あらあらって、そうか、まごれびゅ始める以前に見てんだよねぇ。
はい、そのときはゲイ映画の印象がきつくてね、何かイマイチって感じがしたのだけれど、いま見返してみると、なかなかどうしていいじゃないの。男と男だとかね、もうそういうことは表面的なことで、たまたま男と男だったというだけのこと。いや、どうしても今の日本(少なくともボクのような世代の日本)じゃ、おかま!と蔑まされ、フーゾクの範囲に押しやられてるんだけど、デレク・ジャーマンなんかを見てると、環境が違ってたら、ゲイやってたかもしれないなと思う。とか言って、オンナ好きだから、バイだな(^.^;) ひとつのキーワードになるのが「やり直そう」。フェイ(トニー・レオン)とウィン(あの『霸王別姫』のレスリー・チャン)がうまくいかなくなるたびに、ウィンが「やり直そう」とよりを戻してくる。が、究極的に、駅で電車から降りて「やり直す」のはフェイのほう。その降りるに降りれなかったフェイの背中を押すのがチャン(チャン・チェン)。あら、すんまそん、ネタばらしだね、ったく。 近いところでは、ブエノスアイレスっちゃ、森山大道の『ブエノスアイレス』なんだけれど、この王家衛『ブエノスアイレス』で流れるブエノスアイレスも、それに勝るとも劣らないくらいの映像で、思うにこのころのドイルのカメラは好きだなぁ。『天使の涙』なんかでも使った手をまた使ったりしているのだが、猥雑感がたまらない。なんかぞくぞくしてしまいます。バーのタンゴダンサーのシーンもかっこいいしね。カーウァイがインタビューで言ってたか、サッカーの歓声とラテンミュージックでますます猥雑感を盛り上がる。