疎ましかった

2chからガバっと引用

凄惨ないじめに遭い、一度は田舎を逃げ出したが、仕事が長続きせずに、 田舎でデキ婚して、いじめにあった田舎で生涯暮らさないといけなくなった。 自己破産や生活保護、過去の境遇を知った近隣の住民から差別を受けていた。 しかも、風俗嬢や枕営業で子供にも差別の視線が向かう。
時期を同じくして他人の生活レベルに敏感な小学生から彩香はいじめに遭う。 しかし、生きるためには仕事をせねばならず、子供に愛情を向ける時間などない。その考え方は生きるための厳しさを子供に引き継がせる反面、愛情を示す必要などないのだという間違った幻想を自分の頭のなかに埋め込んでいく。

ある日、娘と言い合いの喧嘩になった。今日だけは彩香は引き下がらなかった。それは今の生活から、小学校でのいじめから抜け出そうとする彩香の決死の行動だった。
「なぜなんだ？なぜ、自分だけでなく娘の彩香もみんなからいじめられるのか？」 鈴香はそう思った。
ある日、いつものように風俗嬢として接していた客から、ある一言を言われた。客は少し前に東京へ出張して帰ってきていた。
「秋田だと、風俗で働いててもお金にならないでしょ？なぜ東京で働かないの？」
鈴香は東京へ行くことにはあまり興味は湧かなかったが、現状からは脱却したかった。しかし、娘はどうすればいいのか？学校もある。そう思った。 鈴香は東京へ行くことにはあまり興味は湧かなかったが、現状からは脱却したかった。 しかし、娘はどうすればいいのか？学校もある。そう思った。
次の日、偶然彩香と豪憲が遊んでいるところを目にした。いや、豪憲にいじめられている彩香を見たのだ。鈴香は思った。
「なぜ、せっかく生まれてきたのに私はツイていないのだろう？」
その日の夕方、ひどく落ち込んでいた彩香を車に乗せ、ドライブをした。そしてそのまま、なんとなく彩香を殺し、川岸から遺体を流した。

警察はこの事件を事故として処理した。それを聴きつけた鈴香は思った。
「まだ捕まりたくないけれど、周りの人間は何も真実を評価してくれないじゃないか？」
葬式のあと、豪憲の父にビデオを渡された。「私はこんな姿じゃない」と自分を娘と重ね合わせる自分がいた。 その時、鈴香は思った。「娘も失い、私にはもうまともに暮らしていく力はない」 その諦めが自分の生き方のチャンネルを殺人の方向にだけ目を向けさせた。時に、豪憲や彩香のクラスメイトについては自分と同じ哀れみの気持ちで接した。

豪憲を殺した時、まさか自分に疑惑の目が向けられるとは思っていなかった。自分は被害者の親なのである。そこで、彩香は考える。中央のマスコミは被害者の身内に疑いの目は向けつつもすべてを隠し、好意的に接してくれる。そのことも相まって、すべての事件を塗り替える計画に出たのである。それは、自分が今まで遭遇してきたいじめから抜け出したかのような気持ちになった・・・

考えてみれば、この藤里町を８年前にバイクで走ってるのだった。白神のブナ林をめざして。