いいねぇ、全然動かないカメラに長回し。めまぐるしくこれでもかと親切きわまりなく見せつけてくれる映画に慣れてしまうと、こんなの映画じゃないですってね(-。-;) はい、寝てしまってください。 台本って、まともに無いらしいです。現場で決められる。ひょっとして、マリー(デデスキ)が扉を閉めるときに「閉まりにくいわ」なんてのは完全に即興じゃないでしょか。いや、ちょっと待て、あそこはパタンと扉が閉まったら、話としてつまらん。やっぱりバタンバタンとやって閉めないといかん。あそこはマリーが苛ついてんだから。えーっと、いま、上に書いたシーンをさがしてて気がついたんだけど、カメラが固定されてるだけじゃなくて、ピントも固定されてます。あの前後のパン、つまりピントを向こうへやったり、手前に引いたりと目まぐるしく変るのって、個人的には嫌いなんだけど、そんなの無いのね。いや、ボクの個人的な好みからして、静止画動画が好きだから。もうラストのあれ何分あるんだろ、あの長回し、もちろん静止カメラどおころか、主役の二人もほとんど動かず、ほとんどセリフなし。まわりの人間だけが動く。この長回しはたまりませんよ。あ、もちろんいい意味でね。悪い意味でたまらんわ、あんなのという人はここまでたどり着かんでしょ(-。-;) オゾン監督の『ふたりの5つの分かれ路』でもうヴァレリア・ブルーニ・テデスキにぞっこんなわけです。決して美人じゃなくて、顔のパーツとかも大造りだしね。でも若い女にはない、ねっちこい色気がたまらないです。この『不完全なふたり』でますます入れ込んでしまいそう(はぁと)。その彼女とブリュノ・トデスキーニ、この二人のパトリス・シェロー門下でなくては、この映画の場をもたすことはできなかったと言ってもいいでしょ。プロダクツ見てみたいなぁ。 ちなみに、日本映画じゃないです。完璧なフランス映画。ついでに「すわあつひこ」じゃないです、「すわのぶひろ」